浄化槽が設置された不動産の注意点!浄化槽の仕組みやメンテナンス費用について

  • 2020年9月26日
  • 2021年2月26日
  • 建物
浄化槽が設置された不動産の注意点!浄化槽の仕組みやメンテナンス費用について

都心に住んでいる人は「浄化槽」という言葉は、あまり聞いたことがないかもしれません。

浄化槽は地方ではまだまだ使われていますし、市街地でも一部の地域で浄化槽が設置されている住宅を見ることがあります。

一般的な下水道処理と使い勝手が異なるので、浄化槽についてしっかり理解しておきましょう。

特に土地や戸建ての購入を検討している人は、浄化槽のことを知っておいて損はありませんよ!

浄化槽とはどんなもの?

浄化槽とはどんなもの?

浄化槽は、下水道を設置するのが困難な場所に設置されているのが一般的です。

地理的な問題や予算的な問題で、公共下水道が設置されていない地域はまだまだ多くあります。

都会から田舎に引っ越す人や初めて住宅を購入する人の中には、浄化槽のことを知らずに住宅購入を決めてしまう人もいると思います。

浄化槽のことを知らずに購入を決めてしまうと、将来的に困ることも出てくるでしょう。

・浄化槽にはどのような役割があるのか?
・浄化槽はどのような仕組みで作動しているのか?
・浄化槽にはどのような種類があるのか?
まずはこのあたりについて説明していきたいと思います。

浄化槽の役割

浄化槽とは、台所・トイレ・洗面所・お風呂などで使用した汚れた水(汚水)を、浄化するための下水処理装置です。

下水道が設置されている場所であれば、家庭で使用した汚水は下水処理場に流れ、そこで汚れを分解してキレイになった水が河川や海に放流されています。

建物が建っている全ての場所に下水道を設置できれば良いのですが、地形的問題や予算的問題で浄化槽を設置することが難しい場合もあります。

下水道が設置されていないからといって、家庭で利用した汚水をそのまま自然に放流してしまっては、自然環境が汚染されてしまいます。

それぞれの家庭で汚水を浄化し放流することで、自然環境の汚染を防止するのが浄化槽の役割です。


引用元:熊本県浄化槽協会

こちらの表には、家庭で利用した汚水をそのまま放流した場合に、自然浄化されるために必要な水量が記されています。

こんなに環境を汚染してしまうなんて知らなかった!
人間と自然が共生していくために、汚水対策をしっかりすることが大切だといえますね。

浄化槽の仕組み

浄化槽は、バクテリア等の微生物の働きによって汚水をキレイに浄化する装置です。


引用元:鹿児島市HP

まず流入口から汚水が流れ込んでくると、沈殿分離槽で汚水中の浮遊物を分離除去するとともに、微生物により有機物を分解、浄化します。

次に接触ばっ気槽でばっ気(水を空気にさらすこと)された汚水が循環し、汚水中の有機物はさらに浄化されます。

沈殿槽で水中に含まれる剥離汚泥を沈殿させ、上澄みされた水が消毒槽で塩素剤によって滅菌消毒され、安全な水となって放流します。

浄化槽の種類と特徴

大きく分けて「単独処理浄化槽」と「合併処理浄化槽」に分けることができます。

それぞれの特徴について紹介していきます。

単独処理浄化槽(みなし浄化槽)

単独処理浄化槽は、トイレの汚水のみを浄化処理するタイプです。

台所や洗面所、お風呂などの生活雑排水は浄化されないため、環境汚染の原因となっていました。

時代の流れに伴い、台所・洗面所・お風呂からの排水が、河川や海の汚染につながる割合が増えたため、最近では使用されていません。

平成13年4月1日の法改正に伴い製造や販売が全面的に禁止され、単独浄化槽を新たに設置することはできなくなっています。


引用元:和歌山県清掃連合会

トイレの排水は浄化されますが、お風呂・洗面所・台所の排水はそのまま放流されるため、汚染物の排出量が多くなるという問題点があります。

合併処理浄化槽

合併処理浄化槽は、トイレだけでなく、お風呂・洗面所・台所の生活雑排水も浄化処理できるタイプです。

単独処理浄化槽と比べ生活雑排水を浄化する能力が高く、現在では合併処理浄化槽が主流となっています。


引用元:和歌山県清掃連合会

単独浄化槽ではBOD除去率65%以上、放流水のBOD濃度90mg/L以下に対し、合併浄化槽ではBOD除去率90%以上、放流水のBOD濃度20mg/L以下に定められています。

トイレ・お風呂・洗面所・台所すべての生活雑排水を浄化できるため、合併浄化槽の方が浄化能力が高いのが特徴です。

浄化槽の維持に必要な費用

浄化槽に必要な費用

浄化槽が設置されている物件を購入する場合に気になるのが、「浄化槽にはどのくらいのお金がかかるのか?」という点だと思います。

公共の下水道と異なり、浄化槽は各個人がそれぞれ保守管理をしていく必要があります。

浄化槽を使用し続けるために、どれほどの費用が必要になるのか紹介していきます。

毎年のメンテナンス費用は大体5万円ほど

浄化槽は、浄化槽法で定期的にメンテナンスを実施することが義務付けられています。

都道府県知事が指定した検査機関の実施する法定検査を受けなければならず、毎年5万円ほどのコストが必要になります。

ブロワーなどの機器設備の耐用年数は7年~15年とされており、それらの機器設備を交換する場合はさらに費用がかかります。

入れ替え工事は100万円ほどの費用がかかる

浄化槽の耐用年数は大体30年~40年と言われており、浄化槽が故障する場合もあります。

故障箇所を直すことが出来れば良いのですが、直せない場合は入れ替え工事が必要となります。

入れ替え工事の価格は浄化槽の大きさによって異なりますが、おおよそ100万円前後の費用がかかります。

行政によっては補助金が交付される場合があるので、工事を行う際は役所でチェックするようにしてください。

浄化槽の撤去にも費用が必要になる

購入した土地に、使用していない浄化槽が埋設されている場合があります。

そういった場合は、建物を新築する際に撤去してもらう必要があり、当然ながら別途撤去費用が必要になります。

どのくらいの費用が必要になるかは撤去を依頼する業者や、建物の解体がセットになっているかによって異なります。

建物の解体工事と一緒に撤去工事を依頼する場合は、大体5万円ほどの追加費用が目安です。

まとめ

公共下水道の設置が進んでいない地域では、浄化槽を使用する必要があります。

浄化槽は、人間が生活する上で出てしまう家庭雑排水をキレイにしてくれるとても大切な設備です。

しかし1年に1回のメンテナンスが義務付けられており、ランニングでかかる費用や故障によるリスクを考えると、公共下水道を利用できる物件の方が有利なのは確かです。

浄化槽が設置されている物件を購入する場合は、「毎年の費用が必要になる」という点を把握した上で判断するようにしましょう。