お家の売却や購入のことで、一度でも不動産会社に相談した人は「レインズ」の話を聞いたことがあると思います。
レインズをひと言で表すと「不動産会社専用の物件情報サイト」ということになります。
と思う人もいると思いますが、結論からお伝えすると、レインズは一般の方が見ることはできません。
むしろ、一般の方がレインズを見れたとしても正直あまり役に立たないと思います。
なぜそのように思うのかについても、後ほどお伝えしますね!
まずは「レインズがどのようなものなのか?」について紹介していきます。
レインズ(REINS)とは?
レインズ(REINS)とは、国土交通大臣から指定を受けた公益社団公人、「不動産流通機構」によって運営されています。
全国で4つのレインズに分けられ、東日本・中部エリア・近畿エリア・西日本にそれぞれレインズが存在しています。
レインズは不動産会社にとって、とても重要なインフラ(基盤)システムとなっています。
不動産会社にとって欠かせないレインズとは、一体どのようなものなのか?紹介していきます。
どんな情報が見れるの?
レインズで見ることができる情報は以下の通りです。
・現在賃貸募集中の賃貸物件
・過去の成約事例(媒介業者が成約登録した物件のみ)
物件種別を絞り込めたり、エリアや沿線別に物件を検索することができるようになっています。
不動産会社向けの不動産ポータルサイトだと思ってもらえば、分かりやすいかもしれませんね!
レインズを活用するメリットって?
レインズは、不動産会社の業務を円滑にするという目的以外に、消費者の利便性向上にも役立っています。
レインズを活用するメリットとしては、以下の点が考えられます。
・信頼できる1社に任せることができる
レインズの主な役割は、物件情報を業者間で共有することです。
物件情報を共有することで、不動産を買いたい人(借りたい人)と不動産を売りたい人(貸したい人)をスムーズにつなぐことができます。
レインズがなかったら、消費者は自分の労力と時間を使ってたくさんの不動産会社に相談や依頼をしなければいけません。
レインズを活用することで、そのような手間を削減することができます。
どうやって見ることができるの?
一般の方の中には、「一度レインズを見てみたい!」と思っている人もいるかもしれません。
しかし冒頭でもお伝えしたように、レインズは不動産会社しか見ることができません。
レインズの利用登録は不動産会社しかできないからです。
ただ一般の人がレインズを見てはいけないというルールはないので、お願いすれば見せてくれる不動産会社も多数あります。
どうしても見てみたい場合は、仲良くしている不動産会社にお願いするという方法もありますね!
レインズに全ての情報が載っている訳ではない
レインズに全ての物件情報が載っていると思っている人も多いようですが、実はレインズに載っていない物件も多くあります。
具体的にお伝えすると、以下のような場合です。
・販売されて少ししか時間が経っていない場合
・売主が不動産会社で、特定の会社が販売する場合
不動産会社には、不動産所有者から売却を依頼された場合にレインズに物件登録をしないといけないルールがあります。
専任媒介契約には「媒介契約を締結した翌日から7日以内」専属専任媒介契約には「媒介契約を締結した翌日から5日以内」にレインズに物件登録をしなければいけません。
そのため媒介契約契約を締結してまだ数日しか経っていない場合は、レインズに登録されていないことが考えられます。
又、一般媒介契約にはレインズへの登録義務がないため、レインズに登録されていない場合もあります。
売主が不動産会社の場合はそもそもレインズへの登録義務がありません。
大型の新築分譲地や新築マンションを販売する不動産会社には、自社販売やグループ会社のみで販売する場合が多く、その場合はレインズに掲載されません。
一般人がレインズを見る必要がない理由
世間では「レインズを一般公開にした方が良い」という声があったりします。
しかし、一般の方がレインズを見れたとしてもあまり役に立たないため、レインズを一般公開にしてもあまり意味がないです。
レインズを見ることが一般の方の役に立つのであれば一般公開した方が良いと思いますが、個人的には一般の方はレインズを見る必要がないと考えています。
その理由についてお伝えしていきます。
使いこなすのが難しく知識や経験が必要になる
レインズの操作画面はユーザビリティが高いとは言えず、相応の知識や経験が必要になるため一般の方が使いこなすのは難しいと思います。
専門用語や業界用語が多く書かれており、一般の方では書かれている内容を理解できないはずです。
不動産業界では、社員研修にまずレインズの使い方や操作方法に関する研修を行う会社が多いほどなので、その難しさが何となく分かってもらえるのではないでしょうか?
一般人向けのポータルサイトなどと違い、レインズの操作画面や操作性は長い期間ほとんど変更されていません。
レインズを使い慣れている不動産業者にとってはコロコロ操作画面を変えられると困りますが、新しく操作を覚える人にとっては使いこなすのが難しいシステムとなっています。
インターネット上の情報の方が充実している
「レインズには一般公開されていない物件がたくさん掲載されている!」と思っている人も多いと思いますが、実はそんなことはありません。
スーモやホームズなどのポータルサイトの方が多くの物件が掲載されている場合がほとんどです。
その理由は、不動産会社がレインズに掲載する義務のない物件は、レインズには掲載しないからです。
②一般媒介で売却の媒介契約をしている物件
③売主が不動産業者で自社販売に専念している物件
一般人には対応してくれない不動産会社も多い
レインズは、不動産会社で物件を共有するためのネットワークシステムです。
不動産会社にはそれぞれの得意分野があり、「不動産を買いたい人を見つけるのが得意な会社」や「不動産を売りたい人を見つけるのが得意な会社」など様々な会社があります。
不動産を売りたい人を見つけるのが得意な業者は、自社では売却活動を行わず、売主の対応に専念する会社も多く存在しています。
そのような会社に一般の方が「レインズを見た」と言って問い合わせをしても、まともに対応してくれません。
小売りの業界でも、スーパーやコンビニなどの「消費者を対象にしている会社」もあれば、問屋などの「メーカーと小売業者をつなぐ会社」もありますよね?
そのような業態をイメージしてもらえれば分かりやすいと思います。
まとめ:信頼できるパートナー会社を見つけるのが大切
不動産を探す際、あなたはどのような行動を取るでしょうか?
恐らくほとんどの方が、スーモやホームズなどの不動産ポータルサイトで物件を探すと思います。
ポータルサイトで気になる物件が見つかれば、その物件を取り扱っている会社に問い合わせをし、それを何度も繰り返す。
このような方がほとんどだと思いますが、個人的には「良い物件を探すより、良い不動産会社を探すのが先決」だと思います。
物件ごとに案内してくれる不動産会社を変えてしまうと、不動産会社もその一つの物件を売ることに一生懸命になってしまいます。
その結果、物件の悪いところをきちんと説明せず強引に契約しようとする業者に遭遇するリスクも出てくるでしょう。
本来の不動産仲介会社は「お客様の要望をヒアリングし、その要望に合う物件を一緒に見つける」のが仕事です。
お客様が一つの不動産会社に物件探しを依頼することで、不動産会社にも責任感が出て、「何としても気に入ってもらえる物件を見つけよう!」という気持ちになるはずです。
お客様側としても、不動産会社としっかり話し合うことで、自分たちのお家に対する希望がより鮮明になるというメリットがあります。
レインズのおかげで不動産会社ごとの情報格差はないので、どの不動産会社でも扱える物件にさほど差はありません。
まず信頼できる不動産会社を見つけ、その不動産会社と足並みを揃えることで、安全で効率的な物件探しができるはずです。